2年前の夏の事です。神戸のある福祉会館で、ハープ奏者の方と、音楽 療法の一環として、コンサートを開催する企画をして下さいました。 私は以前から、機会があれば是非、ハープの方とコンサートをやって みたいと強く思っていたものですから、喜んでお受けしました。そこで 知ったのですが、ハープはその運搬から調弦まで、いろいろと大変手の かかる楽器のようです。ただ、その音色は何ともいえず優雅で、オカリナと よく似合い、演奏していても楽しくなってくるのを、今でも思い起こされる くらいです。
その時はグルックの精霊の踊りも勿論演奏しました。ハープ奏者の 山本朋子さんもオカリナとのアンサンブルを、大変気持ちよくやって 下さり、自閉症や行動面に問題のあるお子さん30数人とその保護者の 方々もとても喜んで下さいました。自閉症のお子さんのひとりは、眼に涙を いっぱいにして、聞き入っておられた、とあとで教えて下さって その時はとてもそこまで気付く余裕はありませんでしたが、とてもうれし かったです。それまでは、楽器をさわりに来たら、さわらせてあげるように と主催者側から依頼されていましたので、壊されたらどうしようか などと思ったりしていたのですが、ぜんぜんそのような心配はありません でした。
後で分かったのですが、この時のハープ奏者の山本朋子さんは、 東京芸術大学卒業後、第1回全日本ハープ・コンテストのアドバーンスト 部門の第1位の栄誉に輝いたお方だったのです。 | |